「針供養」(はりくよう)は、日本の伝統的な行事の一つで、主に仏教の文化や信仰に関連しています。
この儀式は、使い終わった針や縫い糸などの裁縫道具を感謝の気持ちを込めて供養するものです。
裁縫や縫製において、針や糸は布や衣類を繋ぐために欠かせない道具であり、その製作や修繕において多くの手間や思いが込められています。
そのため、使い古した針や縫い糸を捨てる際に、これらの道具に感謝の気持ちを示し、廃棄する前に供養する習慣が生まれました。
供養の際には、お寺で行われることが一般的です。専用の箱や容器に収められた使い古した針や糸が、お寺で特別な儀式や祈りを経て供養されます。
これは、日常の小さな行いにも感謝と敬意を払い、物にも生命や神聖性が宿っているとの信仰の表れとされています。
最近、この行事はみられなくなりましたが、和裁を教える学校などでは、現在でも行われているところがあるようです。